1/25に政府より「被災者の生活と生業(なりわい)支援のためのパッケージ」の発表がなされました。
これを受けて様々な復興支援策が行政により講じられることとなります。
そのうち事業者向けの補助金について簡単に要件をまとめていきます。
弊社は行政書士事務所でもありますので勿論お手伝いすることは可能ですが、まずは利用可能かどうかご検討してみてはいかがでしょうか。
被災者の生活と生業(なりわい)支援のためのパッケージ(内閣府防災)
1/25に政府より能登半島地震の被災地向け復興支援策が発表されました。
メニューが多岐に渡りますので、今回は被災地の事業者に関わる内容について見てみましょう。
(2)生業の再建
地域経済を支える中小・小規模事業者、農林水産業、伝統産業、観光業における、雇用の維持や事業継続の支援を手厚く講じ、持続可能な地域経済の再生を図る。
○中小・小規模事業者の支援
・施設等の復旧を支援(なりわい再建支援事業(補助率3/4等、最大3億円又は15億円))
※多重被災事業者は、石川:最大5億円、富山・福井・新潟:最大1億円までは定額補助可
・小規模事業者の販路開拓を支援(災害支援枠(補助率2/3等、最大200万円))
・商店街の再生支援(アーケード・街路灯等の復旧、賑わい創出支援)
・伝統産業の事業継続に必要な道具や原材料の確保等、迅速な事業再開の後押し
・コロナ債務返済負担軽減策(リスケ時の追加保証料ゼロ、劣後ローンにおける金利優遇措置、二重債務問題への対応等)
・資金繰り支援(日本政策金融公庫:別枠3億円、金利0.9%引下げ(上限・期間あり)等)
・能登半島産品の販売促進支援(特設サイト、販促イベント)○農林漁業者の支援
・被災した農業用機械等の再建支援(農業用機械、農業用ハウス・畜舎、共同利用施設、木材加工流通施設、特用林産振興施設等の再建・修繕への支援(補助率1/2等))
・営農再開に向けた支援(種子・種苗等の資材調達、繁殖用の牛・豚の再導入等)や、被災農家等の柔軟な雇用による人手の確保
・被災農林漁業者の資金繰り支援(貸付当初5年間の実質無利子化等)
・景観にも配慮した棚田の復旧や観光とも連携した持続可能な里山づくり
・漁船等の復旧、漁場環境の回復への支援や、地域の将来ビジョンの下での里海資源を活かした海業振興等○観光復興に向けた支援
・風評対策として、観光地や交通機関の現状に関する正確な情報の発信、観光プロモーションの重点的実施(2~3月)。
・「北陸応援割」(3~4月、補助率50%、最大20,000円/泊)。能登地域については、復興状況を見ながら、より手厚い旅行需要喚起策を検討。
・ふるさと納税の積極的な活用による特産品販売、旅行等の促進
・観光関連事業者の支援(なりわい再建支援事業等の活用)(再掲)
・能登地域の観光拠点・観光資源の再生に向けて、観光地の復旧計画の策定・実行支援、まちづくり支援、コンテンツ造成の支援等。○地域の雇用対策等
被災者の生活と生業(なりわい)支援のためのパッケージ(内閣府防災)
・雇用調整助成金の助成率引上げ(中小企業2/3→4/5、大企業1/2→2/3)、支給日数延長(100日/年→300日/年)等
・災害によって事業所が休止した場合等にも雇用保険の失業手当支給
これから補助金や助成金の交付がある可能性がありますので、ご自身の事業に関連する分野について特に上記に記載があるのであれば国の動きに着目すると良いかもしれません。
政府が特に力を入れようとしているのは「中小企業支援」「農林漁業支援」「観光業支援」「雇用支援」の四本柱であることがわかります。
【2/5追記】
本日、中小企業庁より次のパンフレットが発表されれました。
中小企業者等向け支援策ガイドブックver.01
メニューが非常に多岐に渡りますが、まずは項目だけでも目を通しておくと良いでしょう。
このうち、本ページで解説をしているものは赤でマークをしておきます。
なお、農林水産省の復興支援策についても本ページで解説しておりますが、管轄が違うため下記ガイドブックには含まれていないようです。
中小企業者等向け支援策ガイドブック
- 特別相談窓口
- 各種資金繰りの申し込み、ご相談窓口
- 被災中小企業者向けの当面の貸付業務について(政府系金融機関)・
- セーフティネット保証4号(能登半島地震)(信用保証制度)
- 災害関係保証(能登半島地震)(信用保証制度)
- 小規模事業者経営改善資金(能登半島地震)(日本政策金融公庫)
- 小規模企業共済による貸付
- 小規模事業者持続化補助金(災害支援策)
- なりわい再建支援事業
- 伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業)
- 下請取引に係る配慮要請について
- 失業手当の特例について
- 雇用調整助成金の特例(能登半島地震)
- 国税の申告・納付期限の延長等について
- 地方税の減免措置等
- 被災者の生活と生業(なりわい)支援のためのパッケージ
各補助金についてのイメージについて
各種補助金について復興支援策が固まってきたように思います。
しかしメニューが多くなってきたため、一度整理をつけましょう。
これは筆者の漠然としたイメージですが、次のような印象を受けています。
復興支援策の各種補助金のイメージ
小規模事業者持続化補助金<災害支援枠>
被災地の事業者について、事業を被災前に回復しようとするイメージ。
販路開拓、展示会、店舗改装、機械装置など。
なりわい再建支援補助金
被災地の事業者について、設備などを戻そうとするイメージ。
壊れた工場や設備など。
伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業)
被災地の事業者のうち指定伝統的工芸品関係について、設備などを戻そうとするイメージ。
こわれた設備や原材料の補填など。
一応は販路開拓等についても対象にはなり得る。
→国が指定する伝統的工芸品関係について特別枠としての復興支援。
農林水産省による復興支援
農業、林業、水産業についての復興支援で非常に幅広いイメージ。
中小企業庁による復興支援策について
1/25に中小企業庁から次の発表がありました。
「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」を踏まえた各種資金繰り支援について、リーフレットにまとめました(令和6年1月25日)
新着情報より抜粋(中小企業庁)
「小規模事業者持続化補助金<災害支援枠>」の公募要領を公開しました(令和6年1月25日)
前者は融資支援、後者は補助金支援となります。
融資とは平たく言えば「お金を借りること」なので返済する必要があるお金です。
一方、補助金とは返済が不要になるお金で、交付決定を受ければそのまま返済する必要はありません。
被災地の事業者様は大変な状況にあると思いますが、是非ご活用してみてはいかがでしょうか。
小規模事業者持続化補助金<災害支援枠>
【更新日】2024/01/26
小規模事業者持続化補助金とは、地域の産業や雇用を支えるために販路開拓等に必要な経費の一部を補助するというものです。
同補助金はテーマが設定されており、通常枠、賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠といった分野が決められています(小規模事業者持続化補助金 一般型)。
このうち「災害支援枠」が特別に復興支援として作られたというわけです。
○商工会地区分 小規模事業者持続化補助金 災害支援枠(令和6年能登半島地震)
〇商工会議所地区分 小規模事業者持続化補助金 災害支援枠(令和6年能登半島地震)
持続化補助金(災害支援枠)とは
令和6年能登半島地震により被害を受けた被災区域(石川県、富山県、新潟県、福井県)の小規模事業者等の事業再建を支援するため、被災区域を対象とする本補助事業を実施し、商工会等の国が指定する支援機関の助言も受けながら災害からの事業の再建に向けた計画を作成し、作成した計画に基づいて行う事業再建の取組に要する経費の一部を補助するものです。
既に第1次公募について公募要領が発表されておりますので、そちらを見ていきましょう。
補助金名 | 小規模事業者持続化補助金 災害支援枠(令和6年能登半島地震) |
公募開始 | 令和6年 1月 25日(木) |
1次申請受付開始 | 令和6年 2月 1日(木) |
1次申請受付締切 | 令和6年 2月 29日(木)【郵送:締切日当日消印有効】 ※2次公募以降については追って公表いたします。 |
提出先・お問い合わせ先 | 石川県商工会連合会 小規模事業者持続化補助金地方事務局 富山県商工会連合会 小規模事業者持続化補助金地方事務局 新潟県商工会連合会 小規模事業者持続化補助金地方事務局 福井県商工会連合会 小規模事業者持続化補助金地方事務局 |
注意点 | ・本補助金は給付金ではありませんので、審査があり不採択になる場合があります。 また、補助事業遂行の際には自己負担が必要となり、後払いとなります。 ・本補助金の申請に際しては地域の商工会の確認が必要となります。 ・申請書類は郵送によりご提出ください(持参、宅配便、電子申請による送付は受け付けません)。 |
補助対象者の要件 | ※正確なところは必ず公募要領をご確認下さい。 (1)上記「被災区域」に所在する、令和6年能登半島地震の被害を受けた事業者であること ①自社の事業用資産に損壊等の直接的な被害を受けた場合 ②令和6年能登半島地震に起因して、売上減少の間接的な被害を受けた場合 (2)小規模事業者であること 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数 5人以下 サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数 20人以下 製造業その他 常時使用する従業員の数 20人以下 補助対象者の範囲(補助対象となりうる者) ○会社および会社に準ずる営利法人 ○個人事業主(商工業者であること) ○一定の要件を満たした特定非営利活動法人 (3)本事業への応募の前提として、早期の事業再建に向けた計画を策定していること (4)資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接(※)に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ) (5)確定している(申告済みの)直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと (6)商工会の管轄地域内で事業を営んでいること。 ※商工会議所地区で事業を営んでいる小規模事業者等は、別途、同様の事業を商工会議所でも行っておりますので、そちらに応募ください。 ※商工会会員、非会員を問わず、応募可能です。 (7)次の①~④に掲げる小規模事業者持続化補助金「災害支援枠(令和6年能登半島地震)」の補助金交付を受ける者として不適当な者」のいずれにも該当しない者であること (8)下記3つの事業において、採択を受けて、補助事業を実施した場合、各事業の交付規程で定める様式第14「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」を原則本補助金の申請までに受領された者であること (先行する受付締切回で採択された共同申請の参画事業者を含む)。 |
補助対象事業 | ※正確なところは必ず公募要領をご確認下さい。 (1)「計画」に基づいて実施する事業再建のための取組であること。 (2)商工会の支援を受けながら取り組む事業であること。 (3)以下に該当する事業を行うものではないこと。 |
補助率 | ※正確なところは必ず公募要領をご確認下さい。 〇補助対象経費の3分の2以内 〇P.2 2.(1)①の申請者のうち、以下の要件をすべて満たす場合は定額 1.過去数年以内に発生した災害(※1)で被害を受けた以下のいずれかに該当する事業者 ①事業用資産への被災が証明できる事業者 ②災害からの復旧・復興に向けて国等が実施した支援を活用した事業者 2.過去数年以内に発生した災害以降、売上高が20%以上減少している復興途上にある事業者 3.交付申請時において、過去数年以内に発生した災害からの復旧又は復興に向けた事業活動に要した債務を抱えている事業者 (※1)過去数年以内に発生した災害とは、過去5年以内を目安に発生した災害であって災害救助法の適用を受けたものです。 |
補助上限額 | ※正確なところは必ず公募要領をご確認下さい。 ①200万円(自社の事業用資産に損壊等の直接的な被害があった事業者) ②100万円(間接的(売上減少)な被害があった事業者) (注)本制度は補助事業であり、支払を受けた補助金については、原則として、融資のように返済の必要がありません。(ただし、収益納付や処分制限財産の処分による補助金の減額等がなされる場合があるほか、事後の会計検査院による実地検査の結果、補助金返還命令等の指示がなされた場合には従わなければなりません。) |
補助対象経費 | ※正確なところは必ず公募要領をご確認下さい。 (1)補助対象となる経費は、次の①~③の条件をすべて満たすものとなります。 ① 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費 ② 交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費 ③ 証拠資料等によって支払金額が確認できる経費 *今回の公募においては、特例として、令和6年1月1日の能登半島地震により被災した日以降に補助事業を実施し、発生した経費を遡って補助対象経費として認めます。【上記②の特例】 |
経費内容 | ※正確なところは必ず公募要領をご確認下さい。 (2)補助対象となる経費は次に掲げる経費であり、これ以外の経費は本事業の補助対象外となります。また、補助金の額は、補助対象経費に補助率を乗じて得た額の合計額となります。 ①機械装置等費、②広報費、③ウェブサイト関連費、④展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、⑤旅費、⑥新商品開発費、⑦資料購入費、⑧借料、⑨設備処分費、⑩委託・外注費、⑪車両購入費 |
経費の支払方法について | ※正確なところは必ず公募要領をご確認下さい。 補助事業実施期限(最長で令和6年8月30日)までに支払いと事業の遂行が完了したもののみが補助金の対象となります。 |
留意事項 | ※正確なところは必ず公募要領をご確認下さい。 ○補助事業を行うに当たっては、当該事業について区分経理を行ってください。補助対象経費は当該事業に使用したものとして明確に区分できるもので、かつ証拠書類によって金額等が確認できるもののみとなります。 ○補助事業における発注先(委託先)の選定にあたっては、1件あたり100万円超(税込)を要するものについては、2者以上から見積を取り、より安価な発注先(委託先)を選んでください。ただし、発注(委託)する事業内容の性質上、見積をとることが困難な場合は、該当企業等を随意契約の対象とする理由書を実績報告時にご提出ください。なお、中古品の購入については、金額に関わらず、すべて、2者以上からの見積が必須となります。この場合、理由書の提出による随意契約での購入は、補 助対象外となります。 |
補助率・上限額が2/3・200万となっており、300万円までの事業について対象の余地があります。
被災地の要件をクリアしていれば幅広く経費内容として認められる余地があるというのも特徴ですね。
また、今回の第1次公募は2/29までとなっておりますが、第2次以降も行われる余地はありそうです。
ただし、補助金制度の特徴として「予算がある」という点には留意した方が良いでしょう。
なりわい再建支援補助金
政府による復興支援策としてなりわい再建支援事業が発表されました。
これを受けて中小企業庁により次のような発表がなされています。
石川県、富山県、福井県、新潟県の皆様へ
なりわい再建支援補助金(中小企業庁)
令和6年能登半島地震による災害からの復旧・復興を促進します
「なりわい再建支援補助金」
倒壊した施設の建て替えをしたい
壊れた施設・設備の修繕をしたい
上記資料によれば次の通りです。
【補助対象者】 | 石川県、富山県、福井県、新潟県に所在する、令和6年能登半島地震の被害を受けた中小企業・小規模事業者等 |
【補助対象経費】 | 工場・店舗などの施設、生産機械などの設備の復旧費用等 |
【補助上限】 | ・石川県内の事業者 ⇒15億円、一部5億円まで定額補助※ ・富山県・福井県・新潟県内の事業者 ⇒ 3億円、一部1億円まで定額補助※ ※過去数年以内の被災かつ復興途上である等の要件を満たす場合 |
【補助率】 | ・中小企業・小規模事業者 ⇒3/4以内、一部定額補助 ・中堅企業等 ⇒1/2以内、一部定額補助 |
各種資金繰り支援について
【更新日】2024/01/26
こちらの「資金繰り」というのは融資を受けることを指します。
補助金と違って返済が必要なお金、というわけです。
中小企業庁にて次のような発表がなされています。
令和6年能登半島地震により、経営の安定に支障が生じている中小企業・小規模事業者に対する資金繰りの円滑化及び事業の復旧支援などを盛り込んだ「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」が、令和6年能登半島地震に関する非常災害対策本部会議において決定されました。
「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」に盛り込まれた資金繰り支援策について、被災された事業者の皆様に広く知っていただくため、事業者向けのリーフレットを作成しました。
「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」を踏まえた各種資金繰り支援について、リーフレットにまとめました
上記の作成されたリーフレットを見ていきましょう。
あくまでも掲載されたリーフレットの抜粋であるため、正確なところは窓口に必ず確認してください。
日本政策金融公庫による資金繰り支援 | 令和6年能登半島地震特別貸付 |
対象者 | ① 被災4県に事業所を有し、直接被害を受けた中小企業者 ※ 1 , 2 ② ①の事業活動に依存し、 間接被害を受けた中小企業者 ③ 今般の地震の影響により、業況が悪化している中小企業者 ※ 3 ※ 1 : 原則、罹災証明書等が必要 ※ 2 : 停電等による在庫品被害も含む ※ 3 : 風評被害等による影響を含む |
貸付限度額 | ①及び②の方 (国民事業)上乗せ6,000万円 (中小事業)3億円 ③の方 (国民事業)別枠4,800万円 (中小事業)7.2億円 |
貸付利率 | ①の方 当初3年間は所定の金額※ 4を限度に、災害金利※ 5▲0.9% 貸付後4年目以降は災害金利▲0.5% ②の方 災害金利 ③の方 基準金利(中小企業者の状況により変動) ※ 6 ※ 4 : (国民事業)3,000万円 (中小事業)1億円、 所定の金額を上回る場合は災害金利 ▲0.5% ※ 5 :令和6年1月現在、貸付期間5年 (国民事業、中小事業ともに)1.20% ※ 6 :令和6年1月現在、貸付期間5年 (国民事業)2.1% (中小事業)1.20% |
貸付期間 | 設備資金20年以内 運転資金15年以内(据置期間5年以内) |
新潟県富山県福井県 に事業所を有する資金繰りにお悩みの皆様へ(令和6年1月25日時点版)より抜粋
信用保証による資金繰り支援 | セーフティネット保証4号 |
制度概要 | 自然災害等により経営の安定に支障を生じている中小企業者に対し通常の保証限度額とは別枠(上限2.8億円(うち無担保8,000万円))で借入金の100%を保証する制度 |
対象者 | 災害救助法の適用を受けた地域等に事業所を有し、直接または間接被害があり、売上等が減少している中小企業者 |
要件 | 市町村が発行する認定書(売上高が20%以上減少) |
信用保証による資金繰り支援 | 災害関係保証 |
制度概要 | 激甚災害の直接被害を受けた中小企業者に対して、一般保証及びセーフティネット保証の保証限度額とは別枠(上限2.8億円(うち無担保8,000万円))で借入金の100%を保証する制度 |
対象者 | 災害救助法の適用を受けた地域に事業所を有し、直接被害を受けた中小企業者 |
要件 | 罹災証明書等 |
信用保証による資金繰り支援 | 伴走支援型特別保証(コロナ借換保証) |
制度概要 | 利用時の要件に災害関係保証も追加することで事業再建に必要な資金を借入れする際の保証料を0.2%まで引き下げる。 ※一部石川県のみ要件が優遇されるようです。 |
新潟県富山県福井県 に事業所を有する資金繰りにお悩みの皆様へ(令和6年1月25日時点版)より抜粋
企業において「資金は血液だ」とよく表現されるところですが、低い金利で融資を受けることができるというのはメリットではあります。
一方で、現在ゼロゼロ融資の出口の時期ではありますが、返済ができないという企業が続出しているという社会問題が発生しております。
融資の際にきちんと事業性や収益性について評価や講じた対策が甘かったせいだとは思いますが、そういったデメリットについてまでよくよく考える必要はあります。
【関連報道】
(日経新聞 2024年1月15日)小規模企業の倒産、23年36%増 物価高が促す新陳代謝
(日経新聞 2024年1月16日)23年の倒産件数、新潟県で90件超え 民間調べ
(日経新聞 2024年1月17日)「金利ある世界」が迫る労働改革 倒産2割増への備え
(日経新聞 2024年1月19日)23年倒産、コンプラ違反初の300件超 コロナ融資重荷
(日経新聞 2024年1月19日)「ゾンビ企業」3割増25万社 22年度、ゼロゼロ融資余波
(日経新聞 2024年1月24日)東北企業の休廃業・解散、3年ぶり増 民間調べ
経済産業省の復興支援について
伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業)について
政府による伝統的工芸品への災害復興を行う明確な表明が先日ありました。
これにより2/1に経済産業省より伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業)の発表がありました。
本補助金制度は、令和6年能登半島地震により被災した被災県( 石川県、新潟県、富山県及び福井県をいう。以下同じ。)において、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(昭和49年法律第57号。以下「伝産法」という。)に基づき指定された伝統的工芸品の製造事業者等が、被災により影響を受けた場合に、事業再開のために必要な生産設備等の整備、原材料確保に係る取組に要する経費の一部を国が補助することにより、伝統的工芸品産業の復興に寄与することを目的としています。
令和5年度「伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業)」の公募について(経済産業省)
令和5年度伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業)の公募について(中部産業局)
指定された伝統的工芸品とは
「伝統的工芸品」とは
・主として日常生活の用に供されるもの
・その製造過程の主要部分が手工業的
・伝統的な技術又は技法により製造されるもの
・伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるもの
・一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているもの
上記5つの項目を全て満たし、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(昭和49年法律第57号、以下「伝産法」という)に基づく経済産業大臣の指定を受けた工芸品のことをいいます。
伝統的工芸品(経済産業省ホームページ)
つまり、今回の能登半島地震により被災した全ての工芸品事業者が受ける事ができるわけではないようです。
まずはこちらで「指定された伝統工芸品」なのかどうかの確認が必要です。
全国マップから工芸品を探す(伝統工芸 青山スクエア)
従って次の要件のうち特に補助対象者に該当するかまず確認するべきでしょう。
補助金名 | 令和5年度伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業) (経済産業省) (中部経済産業局) |
受付期間 | ※正確なところは必ず公募要領をご確認下さい。 令和6年2月1日(木)~ 2月16日(金) |
補助対象者 | ※正確なところは必ず公募要領をご確認下さい。 ○補助対象者 補助対象者は、被災県において、伝産法に基づき指定された伝統的工芸品を製造 する、又は伝統的工芸品産業の活性化を支援する以下の者であって、生産設備等が 当該災害により被害を受けた者です。 ①特定製造協同組合等※1並びにその構成員 ②製造事業者※2及びそのグループ、製造協同組合等※3 ※1:伝産法第4条第1項に定める特定製造協同組合等をいう。 ※2:伝産法第4条第1項に定める製造事業者であって中小企業基本法(昭和38 年法律第154号)第2条に定める中小企業者をいう。 ※3:製造協同組合等とは、伝産法第4条第1項に定める製造協同組合等(特定 製造協同組合等を除く)をいう。 |
補助対象事業・補助率 | ○補助対象事業・補助率 ①生産設備等整備事業 [補助率:3/4以内] ②原材料確保・試作品製作事業 [補助率:3/4以内] |
補助金交付額【上限】 | 原則1,000万円 ※例えば、補助対象経費100万円の場合は国庫補助金75万円。 |
補助対象経費 | ※正確なところは必ず公募要領をご確認下さい。 ①生産設備等整備事業 伝統的工芸品の製造を再開するために必要な設備・機器・道具等(塗師風呂、窯、ろくろ、刷毛、工具等。)の購入費(設置に係る費用を含む)及び修繕費(ただし、不動産購入、建物の建設費用、被災により毀損された既存設備・機器等の撤去費及び処分費用は除く。) ②原材料確保・試作品製作事業 伝統的工芸品の製造を再開するために必要な原材料の購入費(災害により破損した商品の修繕、又は代替の商品を製造する際に必要な原材料を含む。ただし、原材料は被災前1年間における使用量相当量以下に限る。)及び型等の試作・製作費 上記に係る企画会議や調査等に必要な通信連絡費、試作品製作費、輸送費、委員謝金、専門家謝金、調査旅費、会議費、会場費、資料収集費、映像資料等作成費、報告書作成費、原材料費、分析調査費、外注費 |
農林水産省による復興支援策について
1/25に農林水産省から次の発表がありました。
令和6年能登半島地震は、農地・農業用施設、畜舎や山林施設等の損壊、大規模な山腹崩壊や漁港、漁場等の損壊等が発生し、地域の農林水産業に甚大な被害をもたらしています。
令和6年能登半島地震による農林水産省の「被災者の生活と生業(なりわい)支援のためのパッケージ」について(農林水産省)
こうした中、地域の将来ビジョンを見据えて、世界農業遺産の里山里海等のブランドを活かした創造的復興に向け、被災された農林漁業者の方々が一日も早い生業の再建に取り組めるよう、以下の対策を速やかに講じます。
まずは次の点に注意すべきでしょう。
農業用機械、農業用ハウス・畜舎、共同利用施設等の再建・修繕の事前着工等については、それぞれの農林漁業者ごと(共同利用施設等の場合は施設ごと)に次の資料を保存しておいていただくようにお願いします。
(1)施設等の被害の状況がわかる書きものや写真等
農業用機械、農業用ハウス・畜舎、共同利用施設等の再建・修繕の事前着工等における留意事項(農林水産省資料)
(2)事業の対象となる取組に係る発注書、納品書、請求書などの書類
(3)種苗購入や資材購入、他の集出荷施設等に農産物の輸送等を行った場合の発注書、納品書、請求書などの書類
このように支援を受ける際に写真等が必要になる場合があるためご注意ください。
なお、農林水産省による復興支援メニューは多岐に渡りますが、大きく次のようなものに大別できると思います。
農林水産省による復興支援メニューまとめ
・返済が不要な交付金や補助金、助成金、共済金等による支援
・返済が必要な資金融資等の支援
・各種工事費や撤去費用等の支援(国や自治体が負担)
・職員等の派遣などによる調査、撤去事業等
まずはご自身の事業が該当するか、以下の資料で調べてみると良いかもしれません。
・令和6年能登半島地震により被災された農林水産業関係者の皆様へ(Ver.1)
漁港施設等の復旧をしてほしい(p33)
支援内容 | 対応事業 | 支援の内容 |
漁港施設等の災害復旧 | 漁港施設災害復旧事業により、漁港施設等の復旧を支援。 | 国:1/2、2/3等 激甚災害指定の場合、83%(過去5箇年の実績) 県等:県と市町村による負担 |
漁船・漁具、養殖施設、水産業共同利用施設を復旧したい(p36)
支援内容 | 対応事業 | 対応事業 |
漁船・漁具の復旧 | 被災した漁業者のために漁業協同組合等が行う共同利用に供する漁船の建造、 中古船及び漁具・漁労設備の導入を支援。 【共同利用漁船等復旧支援対策事業】 | 国: 1/3 県: 1/3以上 →合計2/3以上 |
まずはご自身の業種と被害についての担当窓口にご確認してみると良いかと思います。