東京会の会報誌「行政書士とうきょう」の10月号に掲載されましたので告知となります。

告知内容
行政手続研究会
1.日 時 11月15日(土)午後2時~5時
2.会 場 TKP上野駅前ビジネスセンター(上野駅徒歩1分)
3.科 目
法哲学対話
悪法も法か~「ソクラテスの弁明」(プラトン)から考える
4.講 師 行政書士 田中 秀忠(豊島支部)
5.受講料 会員:3,000円 非会員:3,000円
6.申込先 担当者 伊藤 浩
電話 03(3835)1550
FAX 03(3835)1551
E-mail itoh@itoh-office.jp
【会場の周辺地図】
法哲学対話とは?
法哲学対話とは、「当たり前」を問い直しながら、共に考えるための哲学的営みです。
そこでは、知識や立場の上下を離れ、参加者が互いに聞き合い、根拠や前提を問い、意味や価値を確かめ合います。
容易に答えの出ない問いを「問いのまま」保ち続ける姿勢を重んじ、いわば「宙づりの思考」に耐えながら、より良い理解へと歩む共同探求の場ともいえます。
講師役(=進行役)もまた導く者ではなく、一人の探求者として対話に加わります。
このような「ソクラテス的状況」において、法の背後にある人間・社会・正義のあり方を見つめ直すことが、法哲学対話の本質といえます。
近年、「経営哲学とは?」や「行政哲学とは?」、「人生哲学とは?」といった文脈で度々「哲学」という単語を目にします。
自分自身の「理念(=中心に据えるべきもの)」を磨くにあたって、この「哲学(=考え抜くこと)」は非常に重要な要素だと思います。
特に最近は「生成AI」が台頭してきたこともあり、「生成AIに任せて良いこと」と「人間が行うべきこと」というのが徐々に明確に分離してきたように思えます。
こういう時代だからこそ、「哲学」が一本入っていると何事にも「芯」が通るのではないでしょうか。
「考え抜く土壌をつくる」、おそらくそれがこの法哲学対話に私が参加している理由です。
講義の流れなど
講師役(=進行役)が「課題図書」を指定し、一応読んできている前提で1時間ほど解説を行います。
その解説によるテーマを前提としながら、2時間程度、参加者全員でテーマを議論します。
毎回「課題図書」が提示されますので、ちょっとした読書感想文の宿題のような感じでしょうか。
これまで「法教育」、「禁忌の問い」、「マルクス」、「ヒューム」・・・といった感じで多岐に渡るテーマで法哲学対話が開催されています。
あまり「法哲学って難しそうだなぁ」とか「ソクラテスってよく知らないしなぁ」とか「実務に関係ないしなぁ」っと悩むのではなく、純粋に面白そうと感じるかどうか?ではないかと思います。
【課題図書】
ソクラテスの弁明・クリトン
著:プラトン
訳:三嶋輝夫・田中享英
発:講談社
(Amazonへのリンクはこちら)
今回、たまたま講師役(=進行役)を拝命いたしましたが、私自身、哲学分野は素人も良いところです。
講師をするにあたって10冊程度色々読んではおりますが、受講サイドとしてはそこまでの気合は不要です。
ひと通り課題図書を読んで、自分なりの考えをまとめれば完璧ではないかと。
「受講して面白かった」程度には、講義できるよう準備しますので、是非とも気楽にご参加ください。
特に「悪法も法か」という問いに対しては現行法についてどちらかに寄っているわけですが、
そういう事情も関係なしに「自分はどう考えるのか?」や「他はどう考えるのか?」の共有が大事です。
要するに正解・不正解は本講座においてはありません。
ソクラテスと言えば「無知の知」であるとか「正しく生きること」であるとか有名ですが、果たしてそれは本当か?そんな話からできればなと思っています。

